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【取材】これぞデジタル人材!?プロの現場で働くエンジニア中学生に、気になるアレコレ聞いてみました。

事例紹介

GMOメディアインタビューサムネイル

中高生男子の「将来の夢」第2位を知っていますか?
答えは「ITエンジニア」です(※1)。

「ITエンジニア」が選ばれている理由は、「需要のある仕事だと思うから」「何かを作り出す仕事をしたいから」などの声が挙げられています。
そんな中高生の憧れの夢を叶えながら、同時に学業もこなしているスーパー中学生がいます。この中学生の話を聞いた時、真っ先に浮かんだのがこれぞまさに、デジ連が育てたいデジタル人材なのでは!?ということ。学校に通いながら、IT企業でエンジニアとして働く……、そこにはどんな思いや考え方があるのでしょうか。また、プロの現場でどのように働いているのでしょうか。気になることが多いです。

今回はそんなエンジニア中学生である阿部 樹さんと彼の上司であるGMOメディアのプログラミング教育ポータルサイト「コエテコ byGMO」の事業責任者 沼田さんにお話を伺いました。
(2024年1月31日インタビュー時点/阿部樹さん中学3年生 )

※1 ソニー生命「中高生が思い描く将来についての意識調査2023」
男子高校生、男子中学生のなりたい職業2位「ITエンジニア・プログラマー」

関連記事:中学生男子の「将来の夢」第2位!「ITエンジニア」ってどんなお仕事?

阿部 樹 氏

N中等部(在籍は春日部市立飯沼中学校) 2021年4月11日〜2024年3月31日在籍
2022年EXA KIDS(エクサキッズ)にて最優秀賞を受賞。Web関連を中心としたプログラミングが得意。最近、興味があることは、ChatGPTをはじめとしたAI技術など色々です。

大会で評価されたスキルがプロの世界で通用するのか、試してみたかった。

–聞けば、阿部さんから企業にアプローチしたのですね。
なぜ、中学生のうちから働きたいと思ったのですか?

阿部 中学1年生の秋頃、プログラミングの大会で最優秀賞を受賞しました。それまではずっと独学で活動していたのですが、これを機に実践的な経験を積みたいと思ったことがきっかけです。大会で評価されたスキルがプロの世界で通用するのか、技術的な面はもちろん、その他にも総合的に仕事として通用するか試してみたかったのが大きいです。
あと、自分自身の力でお金を稼いでみたいとも思いました。

パソコン手元

–GMOメディアでエンジニアとして働くことになったのは、なぜ?

阿部 SNSで仕事を募集した際に、手をあげてくれた企業は他にもありました。ただ、どこも「中学生は厳しい。」と断られてしまいました。未成年のしかも中学生を雇用するとなると、超えるべき壁がいくつもあるみたいで(笑)。その中で、契約まで辿りついていただけたのがGMOメディアでした。

–私も中学生の就労はあまり聞いたことがありません。具体的にどのようなハードルがあったのでしょうか?GMOメディアのように知名度のある企業なら、他にも採用を希望する人材はいると思いますが、なぜ敢えて中学生を雇用したのでしょうか?

沼田 まず、機会があったからです。当社は小学生向けのプログラミング教育ポータルサイト「コエテコ byGMO」を運営しており、多くの民間プログラミング教室を通じてその受講生を見てきました。また、プログラミングの大会や発表会で、大人のエンジニアと遜色ない高いレベルを持った子供たちがいるのを目の当たりにしていました。
そんな中、知人が主催する団体からエンジニアとして働きたい中学生がいて受け入れ企業を探していると相談されました。若年層のうちからエンジニアとして活躍できる機会を提供できるのは当社としても大変喜ばしいことですし、充分検討の余地があると思い対応しました。

ただ、雇用までの道のりは険しかったですね(笑)。
一般企業で中学生が働くということ自体、新聞配達や子役以外にはあまり前例がないようで、労働基準監督署や学校とかなりの調整が必要でした。少し時間がかかりましたが、皆様の協力により当社初の最年少エンジニアが誕生しました。

–最年少エンジニア、良い響きですね。
今回の件で実績ができましたが、中学生の雇用は今後も検討されるのでしょうか?

沼田 機会があれば継続したいと考えています。この機会は双方にとって有益であり、学生にとって学業だけではない選択肢を広げることにつながると思います。さらに、ビジネスを通じて中高・大学で学べることの意味に、新たな気づきをもたらすかもしれません。この経験を通じてプロのエンジニアを目指すのも良いですし、アカデミックな道に立ち返って学びを深めるのも良いと思います。

「プロ」との違いを肌で感じる毎日。
実際のユーザーがいるプロダクト開発に関われることは、大きなやりがいに。

–実際の仕事内容は?

阿部 今はGMOメディアが運営している「コエテコ byGMO」の管理画面やその関連サービスの開発をしています。ユーザー行動が数字でフィードバックされるので、個人のモノづくりと違い手応えがあります。実際にユーザーがいるプロダクト開発に関われているので、やりがいや充実感が大きいですね。

入社当初は、独学でやっていたことと業務内容が違いすぎて…、戸惑うこともありました。コードを見るだけでも自分と先輩のクオリティの差がわかりますし、指摘されることも多かったのでかなり落ち込みました。ですので、分からない所や指摘された所は絶対に吸収してやろうという気概で働いています。働きはじめてから4ヶ月が経った今、当初よりは役に立てているのかなと感じています。

–阿部さんのスキルやポテンシャルは、プロからみてどうですか?

沼田 阿部さんの知識とスキルレベルは、現場のエンジニアに匹敵すると感じています。入社後、比較的すぐに開発業務に参加してもらったのですが、少しずつアウトプットの品質も上がっています。多くを求めていきたい私たちですが、報告、連絡、相談などのコミュニケーションには課題があると感じています。当然ですが(笑)。今後は少しずつ仕事としてのパフォーマンスを発揮できるようになってほしいです。成長がとても楽しみです。
現在はフルリモート勤務で、SlackやZoomを用いたコミュニケーションを行っていますが、今後は対面での機会も設けて、より良い関係を築いていきたいと考えています。

–中学校に通いながらフルリモート勤務なのですね。具体的にどのように働いているのですか?

阿部 僕が在籍するN中等部は週3日通学なので、週2日8時間勤務、残りの3日は帰宅後の18時〜20時まで働いています。毎日稼働しているのでここ数ヶ月でエンジニアとしての技術やスキルが以前より身に付いていると実感できています。それがとても嬉しいです。

職場環境もとても良いです。インターネットでエンジニアやIT企業に対してのネガティブな意見を見ていたので、実際に働いてみてそのギャップに驚きました。え?全然そんなことないじゃないかって(笑)。もっと時間や業務をガチガチに管理されると思っていたのですが、良い意味で個人の裁量で仕事ができるので、とても気持ちよく働けています。

沼田 当社は自社サービスの内製開発を行っているので、その背景からエンジニアにはシステムだけでなく、サービスについても自主的に考えることを求めています。この意味で、業務の裁量は各自に委ねられていますので、非常に裁量が高いと思います。自主性を重んじる社風で、自ら挑戦する人を応援する風土があります。阿部さんのような若いメンバーが挑戦できる機会を今後も積極的に提供したいと考えています。

働くことで、社会や学校への見え方にも変化が。様々な大人とのコミュニケーションを通じて、将来を色濃くイメージできるように。

–働きはじめてから数ヶ月経ったとのことですが、何か変化はありましたか?

阿部 色々ありますが、まず社会や学校への見え方が変わりました。エンジニアは日々勉強、キャッチアップしつづけることが大切と聞いていましたがまさにその通りだと感じます。あと、働くことの大変さはイメージ通りでしたね。
さらに学校で学んだことが仕事で活かせることも実感しました。僕の中学校には「PBL(※2)」という課題解決型の授業があって、課題との向き合い方や相手の意見に耳を傾けながらプロジェクトを進めることなど実践的なことに取り組んでいたので、それが日々の業務で結構役に立ちました。とても有り難かったです。

先生以外の大人とコミュニケーションできたことも良い刺激になりました。将来の夢はエンジニアとして活躍することですので、その思いがさらに強くなりましたし、エンジニアとしてやってみたいこともより具体的にイメージできるようになってきました。

※2 PBL
PBL(Project Based Learning)は、日本語で「問題解決型学習」「課題解決型学習」などと訳される。学習者自ら問題を見つけ、その問題を解決していく上で解決する能力を身に付ける学習方法。

–それは素晴らしいですね。
エンジニアになってやってみたいこととは?

阿部 僕は不器用なので物理的なものを作るのは苦手ですが、ソフトウエアの領域は手先の器用さ関係なくモノが作れるので、魅力的です。今磨いているスキルを活かして、将来は自分で何かしらのサービスを作ってみたいと思っています。チャレンジしたい分野はまだ見えていませんが、自身がエンジニアなので、同じ職種の人たちが幸せになるプロダクトが開発できるといいなと考えています。

–最後に同じようにデジタル活動をする学生へメッセージをお願いします。

阿部 僕がプログラミングを始めたのは、小学6年生の時です。Python、AI、JavaScriptなどただひたすら興味が湧くものを触っていました。Webや本を使って、調べて試して友達と見せ合って。壁にぶつかったらまた調べて試して見せ合って、そのくり返しです。好奇心の赴くままに活動して今に至ります。プロの刺激を受けながら、毎日とても楽しいです。
もし、僕と同じようにエンジニアを目指して活動している学生がいるなら、積極的にプロや専門家と関わる機会に飛び込んでみることをオススメします。今まで見えなかった世界が開け、成長スピードが上がると思います。
あっ、GMOメディアで一緒に働くのもアリかもしれません(笑)。待っています。

–ありがとうございました。今後の活躍を応援しています。

阿部 ありがとうございます。がんばります!
沼田 ありがとうございました。

GMOメディア 企業サイト
小学生向けのプログラミング教育ポータルサイト「コエテコ byGMO」

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