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大学入試対策にも役立つ! 高校の「情報Ⅰ」を網羅したプログラミング能力検定とは?
2022年度から、高校では「情報Ⅰ」が共通必履修科目となり、2024年度からの大学共通テストにおいて、「情報I」が導入され、入試に「プログラミング」が出題されます。
このような背景から、教育現場や先生達は、
など、大学入試に向けてどのように授業を行っていけばいいのか、生徒のプログラミングレベルを知りたいというニーズがあるのではないかと思います。
そこでぜひ知ってほしいのが、プログラミングスキルを客観的に評価できる「プロ検(プログラミング能力検定)」の存在です。
現在、全国300校以上、100自治体での受検実績があり、学習環境やプログラミング言語に依存せず生徒のプログラミング能力が測れると着目されています。
この記事では「プロ検」の詳細について、株式会社プログラミング総合研究所の代表である飯坂正樹氏にお話を伺いました。
飯坂 正樹(いいさか まさき)
株式会社プログラミング総合研究所 代表取締役社長。もともとはエンジニアとしてキャリアを築き、ソフトウェア開発企業にて人材育成や営業活動に携わってきた。現在はプログラミング能力検定の開発・運営の傍ら、国立大学法人長岡技術科学大学にて客員准教授としてプログラミングの講義も行う。
プロ検(プログラミング能力検定)について
——「プロ検」の具体的な内容は?
「プログラミング能力検定協会」が開発・運営する検定資格です。
プログラミングの基礎となる「概念」の理解を測る試験として実施されています。
レベル1~6段階で受験できますので、学習を始めたばかりの初心者も、熟練者も、どなたでもチャレンジ可能です。自分のペースで上を目指すことができます。
言語は「ビジュアル言語」「テキスト言語」から選択可能。
普段の学習に近い言語を選ぶことで、より実力を正確に測ることができます。
どの言語で検定を受けても、等しくプログラミング能力を測れるというのが特徴です。学習環境やプログラミング言語に依存しないつくりになっています。
プロ検は、CFRP(プログラミングの学習・教授・評価のための共通参照枠)にも完全準拠しています。
https://programming-sc.com/cfrp/
試験会場
1人1台端末を利用し、学校内で受検可能です。
また、全国2,500以上の認定会場でも受けることができます。
高等学校での受検風景
高等専門学校(高専)での受検風景
高校「情報Ⅰ」のカリキュラムに基づく設計
——2024年度からの大学入試対策にも活用できる?
プロ検の出題は、「順次処理」「繰り返し」「条件分岐」「乱数」「変数」等60以上の概念に分類し、それぞれの概念の得意不得意を測定可能な形で問題の設計を行っています。
出題範囲は、高校の「情報Ⅰ」に含まれるプログラミング領域の基礎知識を網羅しています。
レベル5まで達していれば、大学入試の「情報科目」におけるプログラミング対策はできている想定です。ですので、生徒がどの程度対策できているかを測る指標として活用いただけます。
出題範囲
(上表の青字は、主要な「情報Ⅰ」教科書にて学習する概念)
出題の詳細に関しては、「ビジュアル言語」「テキスト言語」共にかなりこだわって作っています。興味のある方は、ぜひWEBサイトでチェックしてください。
https://programming-sc.com/about/#question
限られた授業時間で、最大の効果を得るために、“今“を知る
——プログラミングの「検定」を受けることのメリットは?
当たり前のことですが、プログラミングの授業時間には限りがあります。
その限られた授業時間で、生徒の学習成果を最大限に上げるには、一人一人が何をどのように理解しているのかを細かく把握することが大切です。
検定では、こうした生徒たちの“今“の習熟度を測ることができます。
生徒の習熟度が見えれば、個別指導の参考にもなりますし、生徒自身も自分の得意不得意がわかり、自学習に活かすことができます。そして何より、生徒のモチベーションアップに繋がります。
当然のことながら、プログラミングが苦手な子や、途中でつまずいてしまう子もいます。ですが、自分の弱い部分が可視化され、それを重点的に学習していくと段々とできるようになります。そこから、プログラミング学習の面白さを感じてもらえます。
また、検定結果を見て「私って、意外とできるんだ。」と自分の能力に気づく子もいます。
成績表
合格・不合格を伝えるだけでなく、各概念についてどの程度理解できているかを「○」「△」「×」の3段階で評価します。
これにより、受検者は自分のスキルを詳しく把握することができます。指導側も適切な指導を行えます。
合格証書
対策講座の活用で、授業のレベルがUP
——検定を受ける前に対策できることは?
受験会場となっていただける自治体・学校、プログラミングスクール等には、検定の練習問題がレベルごとに受けられる「対策講座」をセットで提供しています。(2023年2月現在)
この講座は、プロ検同様にWebブラウザ上で問題を解く形式で提供しています。
各レベル30問あり、単問ごとに答え合わせができます。そして、解答が間違っていた場合は、表示される解説動画を視聴すれば、なぜ間違ったのか、どこでつまずいたのかがその場で理解できる設計になっています。
また、プログラミングの概念別に問題を絞って学習することもできます。
学校によっては、この対策講座を授業の教材として活用いただいています。
例えば、授業終了前の5分を使って、その日習った単元を復習させることで、生徒の理解度を測ることができます。
また、スマホでも受けられるので、予習や復習にも使えます。
「今日、習ったところを家で復習してきて。」や「明日、条件分岐やるから家で予習しておいて。」といった指導もできます。
このように対策講座でスキルが定着するまで反復させ、最後に検定を受け、学習成果を測る、というような使われ方もしています。
——理想的な活用方法は?
学校や先生達の指導方法によって一概には言えませんが、プログラミングの授業を始める前に、まずは生徒に検定を受けてもらうという学校が、案外多いです。
授業に入る前に生徒の能力を測り、結果を個別指導に活かしながら授業し、中間テストや期末テストのタイミングでまた受けてもらう。こうして、学習の成果を測り、適切な指導を行ってくそうです。
このように、一回受検して終わりではなく、学習の区切りのタイミングで受検し、スキルが定着しているかどうかの確認をしていく。そんな定期テストのような感覚で活用していただければ、確実に生徒のプログラミング能力が向上していくのではないかと思います。
さらに、学校で使われている教材の弱点も見えてきます。
教材によっては、プログラミングのすべての概念が網羅できていない教材もありますので、それがわかるとその部分をどのようにカバーするのかなど、対策が立てられるかと思います。
検定の活用が、プログラミング教育全体のベースアップに。
——最後に、教育関係者の方へメッセージをお願いいたします。
実際に、小学3年生の私の子供が、プロ検のレベル4に合格しています。
成績表や合格証書をもらうのが嬉しくて、本人が楽しみながらやっていたらいつの間にかそんなレベルになっていた感じです(笑)。
ぜひ、生徒さんにも自分の成長を楽しみながら、トライしてもらいたいです。
プログラミング教育の側に、プロ検が位置することで、生徒や先生たち、また教育現場全体のベースアップにつながっていけばと思います。
ご興味のある学校・自治体はぜひ、お申し込み・お問い合わせください。